板門店ツアー

<悔やみと緊張、そして希望の地!>

9月30日 第5日目(最終日)

                                        松本倶之

 
緊張地域  
親善対局プログラムが終わって板門店ツアーに出かけた。
板門店は、周知の如く韓国と北朝鮮との軍事境界線である。非武装地域になっている。

首都ソウルからバスでわずか1時間。
首都からこんな近距離にこんな緊張地域があるのは驚きである。

ここには南北双方の軍施設と兵士、それに国連軍の兵士も常駐しているという。

  
木造展望台
敷地内に、にわか作りの高さ3m程度の狭い木造展望台がある。
登ってみると、北の軍施設と兵士が真近に見える。
兵士の一人はこちらを双眼鏡で観察しているのがわかる。
わたしもコンパクトデジカメであちらの様子をパチリパチリ。

マネキン人形
敷地内には南北共用の会議室もある。この中を案内されて驚いた。
兵士2人が、いつでも腰の拳銃を抜ける体勢で微動だにせず突っ立っている。
怖いけど、不謹慎だがマネキン人形みたいである。

  
ガン(眼)をつけた
兵士はサングラスを何故着用しているのかと誰かが聞いていた。
かって、南北兵士間で「おれをニラミつけた」と一触即発の緊張が生じたことがあり、
これを避けるためという。


この説明も不謹慎だが面白い。日本の昔のヤクザが言いがかりをつけるため、
「おれにガン(眼)をつけたな」というセリフと同じだからである。

400o望遠
カメラのことであるが、バスの中で現地ガイドが、
遠くまで写せるわたしの大きな望遠レンズつき一眼レフを見て、
「それは持参ダメです。相手を刺激するので、バスに置いて行ってください。
でも、もう一台の小さいコンパクトはOKです」
と、のたまう。

内心笑えた。
最近のコンパクトは柄は小さくても性能がよく、
400ミリ望遠までもOKであること
を知らないのだろうか。

  
 南北の囲碁対局
板門店は、過去何度か兵士同士の小競り合いで死者が出るほどの事件もあったと聞く。
最近は大きな緊張もなく、観光客を迎え入れるほど平和に推移しているようだ。


願わくば、近い将来、双方の交流が進み、
北の民間人と囲碁対局でも楽しめる日が来てほしいものである。


板門店パンフレットの見出しにもあるではないか、
<悔やみと緊張、そして希望の地!>と。